書籍『精神と音楽の交響 西洋音楽美学の流れ』 今道友信・編

SeisintoOngakunoKoukyou.jpg ひとつ前の日記で紹介した本『音楽の原理』は、音の科学や作曲技法や身体まで、音楽に関する何もかもを体系づけた壮大な本でしたが、えらく論理的なので、ただでさえ難解な美学方面がかなり難しかったです(^^;)。僕の場合、美学というのは、音大の授業で習ったヘーゲルが最初の出会いで、面白そうなので自分でいろんな本を買ってきては読んだもんでしたが、ちょっと哲学が入るんで、むちゃくちゃムズカシイんですよね。音楽に限らなければ、いろんな哲学者が有名な美学書を書いてますが、けっこう美術系が多くって、音楽は少な目だったりもするし。アホなボクにとっては、今まで読んだ音楽に関する美学書の中では、この本がすごく分かりやすかった!!この本がなかったら、美学系はお手上げだったかも。
 
 この本は、西洋音楽に関する美学の流れを、古い時代から現代まで、各時代で有名な音楽論を書いた人の考えを紹介していきます。各章につき一人という感じで、いちばん古いのは2世紀の天文学者プトレマイオス、いちばん新しいのはマイアーという現代の音楽学者。ぜんぶで15章ですが、アドルノという社会学者は2回でてくるので、合計14人かな?やっぱり古い時代の人の音楽論は科学が追いついてないので、かなり抽象的になってしまって同意できなかったりしましたが、でも当時の人が世界をどうやって見ていたかとか、音楽をどういうものだと感じていたのかとかが分かって面白かったです。そしてやっぱり「おお~すげ~」ってなるのは近現代。ワーグナーやニーチェが信奉しまくったショーペンハウアーの音楽美学あたりから、一気に面白くなります!!「芸術は理念(Ideen)を再現したものである」(ショーペンハウアーの章P.296から抜粋^^)とか、すごいと思いましたね~。。

 この本、それぞれの章は、違う専門家が書いてます。そして500ページ近いので、色んなものの観方が出来るようになってる半面、論点がぼやけて見えがちでしたが、こういう本というのは論文の持ち合いが普通。というわけで、読む側が「これは音楽の美学について書いてある本なんだ!」という所を見失わないように気を付けておかないと、迷子になるかも。逆にいうと、そこさえ見失わなければ、音楽美学の入門書として、これほど分かりやすい本もないかと思いました。むずかしい音楽の美学書についていけなかった経験がある人はけっこういると思うんですが(僕がそう^^;)、そんな人にもおすすめです!!

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Bach Bach

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神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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