フラワー・トラべリン・バンドでヴォーカルだったジョー山中さんですが、僕にとっては俳優の印象の方が強いです。歌が僕にはイマイチわからなかったというのもあるんですが、それ以上に子供のころに夢中で見てた「探偵物語」や、この映画での役者としての印象が強いんですよね。セリフは棒読みくさいんですが(^^;)、なにかを感じる俳優さんでした。
映画『人間の証明』は、77年の邦画。音楽は
大野雄二さんで、この時代の映画やテレビでジャズっぽい劇音楽といったら、もう大野さんか深町純さんのどちらかという感じ。映画の方は…まあ、角川映画なので、クオリティは推して知るべし(^^;)。ストーリーは、ニューヨークのハーレムで貧しく生きていた男(ジョー山中)が、父が悪事で得た金を使って日本に来たのはいいけどすぐに刺殺されちゃって、その犯人を追っていくという刑事推理もの。
角川映画って、クオリティはともかく面白いものがちょくちょくあるんですが、この映画はもう一歩だったかな(^^;)。。冒頭にファッションショーのシーンが4分ぐらい続くんですが、ストーリ-上大きな意味を持たないこういうシーンにこんなに長い尺が必要なのかなあ。カメラや美術照明も、みんな影も角度もつけずに正面から狙って、フォーカスや構図もほんとに無頓着で、絵がかなりダメ…。いろんなところが、映画じゃなくてテレビドラマぐらいのレベルに感じました。でも今の邦画って、テレビ局が作るものも増えたし、その先駆けっぽいと言えばぽいのかな?
ストーリーはまあまあ楽しかったです。最初30分は本当につまらなくってどうしようかと思ったんですが(^^;)、事件の謎にせまる中盤から終盤はそこそこ面白かった!でも、終盤でまたしても無意味に長いファッションショーのシーンが(ノω=;)ヤメテクレ。。もし
市川崑さんとか、映画づくりのプロの人がメガホンをとって、いいカメラマンや美術スタッフを揃えられて作れたら、3倍は面白くできたかも。あと、ストーリー以外で個人的に面白かったのは、70年代後半のNYが実際に見られた事、特にNYのハーレムが見られた事(当時のここはアフリカ系アメリカ人以外が入っちゃいけないな^^;)、夏八木勲さんの愛人役の范文雀さんが美人だった事。大好きな俳優の
松田優作さんには期待大だったんですが、この映画ばかりはミスキャストだったかも。演技がカッコつけすぎというか、いつもの殺し屋役とか探偵役とかだったらこれでピタッとはまったのかも知れませんが、警視庁特別対策チームの50人ぐらいのチームの下っ端刑事が偉そうにカッコつけてると、さすがに違和感を覚えてしまいました(^^;)。優作さん、アウトサイダーでない役は、どうもしっくりこない。きっと、本当にアウトサイダーだったんでしょうね(^^;)。
- 関連記事
-
スポンサーサイト