
ジェフ・ベックの名盤
「ワイアード」と
「ゼア・アンド・バック」の間に挟まれた77年発表のライブアルバムです。ライブになるとスタジオ制作のアルバムよりもえらく粗っぽい演奏になるジェフ・ベックを堪能することが出来ます(&p゚ω゚*)。でもその雑な感じが「あ、決めソロじゃなくってちゃんとアドリブしてたんだ」とか「うわあ、こんなにぶっきらぼうに音を切っちゃうのにカッコよく感じるのはなんでなんだろうか」とか、逆に驚かされたりして(^^)。
メンバーを見ると、これはヤン・ハマー・グループにジェフ・ベックが参加した形というべきか、バックバンドにヤン・ハマー・グループを丸ごと持ってきたというべきか、そんな感じです。こういう編成だと、ジェフ・ベックがひとりだけ浮いて担がれた神輿になってもおかしくなかったとおもうんですが、なかなかどうしてジェフ・ベックは個性を存分に発揮してて、メッチャかっこいい(^^)。それどころか、ここにジェフ・ベックの粗っぽいロックなギターが入ってなかったら、けっこうつまんなかったんじゃないかと思う。。僕的なこのアルバムのカッコよさは、「Freeway Jam」と「Scatterbrain」なんですが、どっちもジェフ・ベックの雑ではみ出しまくりのギターがなかったらかなりつまらなかったと思うんですよね。というわけで、ロックにははみ出しぐあいでかなわないフュージョンに、ジャズには和声や表現面でかなわない自由奔放なロックなギターが入った事で、両者の弱点が帳消しになったというか、グワーッと血沸き肉躍る新しいエレクトリック・ミュージックが生まれた…そんな感じがします。
あと、このアルバムを聴いていてちょっと思ったことは…フュージョンって、音楽の尺を稼ぐため(?)に、こういう単純化されたコード進行を作って延々とソロ…という展開が多き気がします。ジャズでもハードバップがそんな感じ。でも、単純な進行の上で特に明確なイメージもないまま延々とアドリブされてもなんにも面白くない、これを表現とか言われても…と若いころは思ったもんです。その中で、なんでジェフ・ベックのフュージョンはカッコよく感じたかというと、フュージョンのダラダラと冗長なアドリブパートの長さをザックリ短くした事と、
うまい下手ではなくってジェフ・ベックのソロの組み立てには起承転結の明確な絵がある、というふたつがあるのかも。たとえば、このアルバムでのヤン・ハマーのソロになると、ソロの中で起承転結や主題・変奏・展開…みたいなものはなく、ひたすら熱く直線的にプレイしてるようにきこえるもんだから、白熱したプレイではあるんだけどただアドリブしてるだけにきこえて飽きる(^^;)。含蓄はあるんだろうけど話に山もオチも見えないおじいちゃんの長話をきいてる気分で、「はやく終わんねえかな」みたいな(^^;)。でも、ジェフ・ベックは、序破急をちゃんと作るんですよね、しかもだらだら続けずにスパッと抜ける感じ。「細かいこたあいいんだよ、指をちろちろ動かすのに夢中になってるうちは子供だよ、どうやってソロを組み立てるかだよ!」みたいなところは、はっきり言ってロック兄ちゃんのジェフ・ベックの方がいい!これも、
フュージョン期のジェフ・ベックが好きな人なら、ぜったいに外せない1枚なんじゃないかと(*゚∀^)vィェーィ。。
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この辺のロック、面白いですよね。
相互リンクOKですので、またよろしくお願いします。