
前回に管弦楽法の本を紹介しましたが、僕はそれだけでは管弦楽を書けるようになれませんでした。正確にいうと、管弦楽の曲は作れたんですが、そのスコアがうまく書けなかった(;>_<;)。ブラスバンド部にいた人とかジャズの管楽器奏者とかだったら楽勝なのかも知れませんが、ピアノだった僕には
移調楽器のスコアライティングに悪戦苦闘。なんていうんですかね、ピアノ科とか作曲科っていうと、他の楽器奏者からは「音楽をよく知ってる人」って思われてる感じがするんですが、落ちこぼれだった僕がそんなはずもなく、そう思われてる事がかなりのプレッシャー。でも苦手なものは仕方ない、仲間うちでは総譜にはぜんぶCメロで書いてあとはプレイヤー個々に直してもらってたんですが、ちゃんとしたコンクールに応募するようなスコアやパート譜がそんなんで通用するわけない。。そんな時に出たのが、この本でした!
この本、「入門」なんて書いてありますがぜんぜん大丈夫、プロの使用に耐える素晴らしい本です!!移調する時の僕の苦労って幾つかあるんですが、鬼門のひとつはオクターブ。たとえばE♭管への移調って、ジャズなんかだとオクターブなんか関係なしにメロ譜を書いたって、プレイヤーさんが勝手に好きな音域に読み直して演奏してくれるじゃないですか。だから、E♭管を短三度下げて調号を#3つ分足す!みたいな単純作業で良かったんですが、これが管弦楽を書く時となると、たとえば同じE♭管への移調でも、ピッコロクラは実音より短3度高くて、アルトクラは長6度低くて、バリトンサックスはオクターブ+長6度低くて…みたいになって、音域を正確に書かないといけなくって混乱(;_;)。。で、
この本は、移調をどうやればいいかのリクツも丁寧に書いてあるし、もっと単純に「この楽器はこの手順で移調しろ」と理屈抜きの機会作業の方法も書いてある!これは助かったなあ、僕にとっては救いのアンチョコでした。あ、あと
もうひとつよかったのは、木管や金管を含めた楽器の使用可能音域と実音と棋譜音の表が出ていた事。管弦楽法の教科書にも音域は載ってるんですが、一覧になってると本当に助かりました。 今は便利な時代になって、
フィナーレ
みたいな優秀な楽譜作成ソフトを使えば勝手に移調してくれるしパート譜も打ち出してくれますが、それでも移調楽器を含めたアンサンブルの曲を書く人は、「どういうリクツで、どういう風にやるのか」というアンチョコを持っておいた方がいいと思います。そして、そういう本というと、もうこれしかない。いろんな移調楽器を演奏する人や作曲家のマストアイテムだと思います(^^)。。
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