1曲目から今までのヤードバーズとは大違い、メッチャクチャかっこいい!これはもう別のバンドだよ…。1968年のヤードバーズのライブアルバム、かつては恐ろしいほどの高値で取引されていたブツです!この時期は、クラプトンに次いで
ジェフ・ベックまでバンドを去り、ほとほとギタリストに嫌われるバンドかと思いきや、次に入ってきたのがジミー・ペイジ。なんとついているバンドなんだ(^^)。ちなみにジミー・ペイジというのは、このあとハードロック最高峰のバンドのひとつとなる
レッド・ツェッペリンを結成することになったギタリストです。
驚くのは、ジミー・ペイジのプレイ。フォークかR&Rみたいな事ばかりやっているこの時代のイギリスのポップ・シーンで、飛び抜けてうまいギタリストだったんだなと思わされました。いや、うまいというのとはちょっと違うかも…上手下手というより、やってる事のレベルが違う感じ。クラプトンはうまいけどブルースペンタ以外は弾きこなせないし、ジェフ・ベックは和音になるとまだ前時代的な演奏の仕方をしている状態。ところが
ジミー・ペイジのギターは和声も旋律も同時に演奏するもので、ほとんど一人でヤードバーズのオーケストレーションを作ってます。うまい下手というよりも、ひとりでオーケストレーションを作ることが出来るプレイスタイルなんですね。コード進行もソロもオブリもサウンドメイクも、ぜんぶギター。これがすべてで、作曲やアレンジの才能も、前任者ふたりの上をいってる感じ。
そして
このアルバム、ほとんどレッド・ツェッペリンです。ツェッペリンのファーストに入っていた大名曲「Dazed and Confused」をもうやってるし。ドラムもベースもうまいので、ヴォーカルさえ差し替えればこのままツェッペリンと同等の音楽が作れたんじゃないかと思います。あ、でも、キース・レルフさんはヴォーカルは弱いけど、ハーモニカはメッチャかっこいい!60年年代のブリティッシュ・ビートのバンドはヴォーカルがハーモニカを吹くのがスタンダードになってますが、その中でもトップクラスにうまいんじゃないでしょうか。もう、音がぜんぜん違う(^^)。
今回、ヤードバーズを聴いていたら、ビートルズやストーンズみたいなR&RやR&Bのアマチュアバンドがうじゃうじゃいたイギリスのポップ・ロックのシーンが、どうやってディープ・パープルやツェッペリンやクリムゾンみたいな驚異的なバンドを生み出すところまで行ったのかが何となく分かった気分になりました。
僕の中では、ヤードバーズ最高傑作はダントツでこれです! いちばん聴かれてないアルバムでしょうけど(^^;)。
- 関連記事
-
スポンサーサイト