ヤナーチェクの弦楽四重奏曲、僕はアルバン・ベルク四重奏団のもの以外に、こういうのも持ってます(^^)。ハーゲン四重奏団、メンバーはみんな兄弟なんだそうです。
アルバン・ベルク四重奏団の演奏に比べて、いい意味で技巧を全面に押し出してる感じで、かつリズムが強力。そういう事もあってか、
切れ味がすごいです!特に、ファースト・ヴァイオリンとヴィオラがすごい、これは驚きだよ。。ヤナーチェクの弦楽四重曲って、けっこう舞踊音楽的なところが多いんですが、こういう曲を演奏するにはもってこいの弦楽四重奏団じゃないでしょうか。そしてこのCD、1988年と決して新しくない録音なんですが、音がすごくハイファイでデジタルっぽいです。僕は好きですが、人によっては鋭くて耳が痛いと感じるかも。アルバンベルクQの方はアナログ録音っぽいし演奏が艶っぽく、こっちは舞曲っぽさを前面に押し出してガシガシした感じ。そんなもんで、アルバンベルクQだと「ロマン派だなあ」と感じるのに、こっちだと「国民楽派だなあ」と感じるという(^^;)。演奏や録音で、音楽ってけっこう変わって聴こえるものですね。
ああ、もう書き終わっちゃったので、ついでに前にかけなかったヤナーチェクの弦楽四重奏曲のトリビアをちょっと書いておきますね。ヤナーチェクの弦楽四重奏1番は「クロイツェル・ソナタ」という名がついてますが、これはベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」と直接は関係ないものの、間接的には関係があります。
ベートーヴェンがクロイツェル・ソナタを書く→作家のトルストイがインスピレーションを受けて小説を書く→ヤナーチェクがインスピレーションを受けてクロイツェル・ソナタを書く、みたいな(^^;)。あ、ちなみに、
トルストイの小説の内容は、浮気をしていた妻を夫がぶっ殺したというものです(゚∀゚*)。困ったもんだ。あ、そうそう、ヤナーチェクはこのとっても巧みな1番をたった1週間で書いたそうです、信じられない。。
入り組んだ構造の見事さは、弦楽四重奏第2番も同じです。2番は「内緒の手紙」なんていうタイトルがついています。なんで内緒の手紙かというと、晩年のヤナーチェクが
ずっと文通してた人妻との思いを音楽にしたから( ̄▽ ̄;)コノエロジジイ。ちなみに、この曲を書いた後にヤナーチェクは死んでしまいますが、死ぬ前だったからこういう暴露本のような題材を扱えたんでしょうね。不倫ではあるけど、俺はマジだったんだよ、みたいな。爺さんやるな、今ならネットで大炎上まちがいない。。この第2番もかなり抒情的で、アゴーギクやデュナーミクといった表現がかなり豊か。これ、自分が指揮者になったつもりで棒を振ってみると分かりますが、そういう所がけっこうコロコロ変わるので、うまくタクトを振れないと思います。それぐらい、表現豊か。
というわけで、これはかなりおすすめのCD。ヤナーチェクの弦カルのCDで最初に名前があがる1枚じゃないかも知れませんが、実は大穴の1枚なんじゃないかと!
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