このマラソン・セッションは、アンサンブルを綿密に作ってある曲は1曲もないので、良し悪しはアドリブの出来不出来やその構造の組み立てにかかってると感じます。そういう意味でいうと、印象で何となく聴いてしまったら似たような曲のオンパレードの退屈な音楽、だから余計にソロアドリブを楽しむといういかにもジャズマニアっぽい聴き方をするしかない(^^)。そして…いやあ、リーダーだからファーストソロがマイルスだし、コーラスもいっぱいもらえてるのはマイルスだという事もありますが、マイルスのソロがいいです!「If I were a bell」のマイルスのソロとか、やっぱりこの時代のこのバンドのボスはマイルスだなと思っちゃいます。これがCBS時代になると、コルトレーンが凄い事になってマイルスが食われちゃったりするんですが(^^;)。あ、あと、「OLEO」をやってるんですが、これはベースだけで支えておいて、コーラス後半でドラムとピアノを入れるとか、かなり面白い事をやってます。そして、コルトレーンのソロがいい!そうそう、僕、昔に「OLEO」をライブでいきなりやらされたことがありまして、あのテーマをとちって演奏できなくて大恥かいた事があります。あれは演奏できるからカッコいいんであって、弾けなかったら元も子もないですよね(・∀・*)。あ、あと、レッド・ガーランドのピアノは、ジャジーでいいなあと思う時と、古くさいアプローチだなあと思う時が半々ぐらい…って、50年代なんだから古くて当たり前か。やっぱりジャズ・ピアノはビル・エヴァンス登場以前と以降でけっこう違いますね。