
大ヒットした「
つづれおり」と同じ71年にキャロル・キングが発表したサード・アルバムです。「つづれおり」を意識したのか、ジャケットがそっくり。ちょっと違うのは、「つづれおり」には猫が写ってましたが、こっちは内ジャケに犬(^^;)…でもこの犬がかわいい。。
1曲目「Brother, Brother」ですが、詞、曲想、トレモロの効いたエレピ、「NaNaNa」「Woo」というメリスマっぽい歌のダビング…
マーヴィン・ゲイの「What’s Going On」とそっくり(^^;)。調べてみたら、どっちも71年発表、「What’s Going On」が5月発表で「Music」が12月発表。…たぶん大ヒットしていた曲のアレンジを参考にしたんだな( ̄ー ̄)。これと同じような事が随所にあって、A面最後の「夢見る世界」のブラスアレンジは
カーペンターズ調。アルバム最後の曲は…これはだれが聴いても
ビートルズの「ゲットバック」 (^^;)。たぶん、アレンジを自分でやってないので、作曲後にアレンジャーに丸投げして、アレンジャーはレコード会社からの指示で売れてる曲の何かに似せてこうなった…みたいな感じなんじゃないかと。曲じゃなくて、サウンドやリズムや編成をパクるんですね。というわけで、こういう70年代初頭の洋楽のポップスのアレンジの特徴が随所に出てます。
良いと思ったのは曲で、これは60年代末から70年代初頭のアメリカのポップスの良さを引き継いでいると感じました。特にいいと思ったのが「Surly」「Carry Your Load」「Music」の3曲。メロディは綺麗だし、和声進行はクリエイティブだし、単純にツーハーフにしておしまいにせず、これはいいなあ、と。ただ、作曲以降のアレンジや録音の進め方が雑で、アレンジというほどのアレンジが施された曲は少なく、メロコード譜だけ作ったら、あとはスタジオに入ってヘッドアレンジでババッと録音して終わりみたいな曲でほとんど(^^;)。う~ん、せっかく曲がいいんだから、アレンジも頑張って欲しかったです。このへんの雑さがプロじゃないんですよね。こういうところがサイモン&ガーファンクルやカーペンターズ、
ポール・マッカートニー、
ロバータ・フラックあたりの同世代のポップスのクリエイターに届かないところ。
そうそう、僕はこのアルバムを日本盤LPで持ってるんですが、それは見開きジャケットで、見開いた内側の写真がすごくいい!グランドピアノの前にキャロル・キングが座っていて、その足元にシベリアン・ハスキーが座って彼女を見上げてます。そしてこのジャケットが光沢仕上げではなくマット紙を使って、かつエンボス調でボコボコ。う~んこれはジャケットが素晴らしい。というわけで、もしこのアルバムを買うなら、出来れば廉価盤でない当時のLPでの入手をお薦めします!
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表題曲のMusicが面白い曲だったので、僕のブログでも紹介してみました。
(20160518、>Song2)
原曲のアレンジを載せているので、まだであればご覧下さい。
セッションでも1度演奏したのですが、やはりこういう曲は、
原曲を知っている人と一緒に演奏しないと今一乗りませんね。
このジャケットの Carole King は妊娠中で、それを目立たせないためにこのアングルでのジャケ写にしたという話がありますが、ご存知でしたか?(真偽のほど不明です。)