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コミック『リバースエッジ 大川端探偵社』  原作:ひじかた憂峰 画:たなか亜希夫

riversEdge.jpg 狩撫麻礼&たなか亜希夫の名コンビによるコミックをもうひとつ。『リバースエッジ 大川端探偵社』、私立探偵ものの漫画です。あ、ひじかた憂峰というのは、狩撫麻礼さんのペンネームのひとつです。なぜそれに気づいたかというと、話の中に狩撫麻礼さん原作の探偵ものコミック「ハード&ルーズ」とそっくりの話がけっこうあるのでね( ̄ー ̄)。そうそう、いつぞやEGO WRAPPIN’ が主題歌を歌ったテレビドラマを紹介しましたが、その原作がこの漫画です。

 話は探偵ものなんですが、トリックを解くような推理ものではなく、ある不可解な調査依頼の裏にある人間ドラマにスポットが当たっています。たとえば、こんな感じ。あるぼったくりバーに、サラリーマンがつかまり、ビール1本で10万円ぐらいを支払わされます。しかしこのサラリーマン、ぼったくられたバーに毎月来るのです。それを不審に思ったやくざが探偵に依頼。そして真相を知り、胸を打たれたやくざが最後に「おい、今後その方からはぼったくるんじゃねえぞ」といってエンド…みたいな。ね、推理というよりも人間ドラマでしょ?!素晴らしいドラマなんです。
 そして、1話完結のこのドラマの背後には、狩撫麻礼さんが伝えたいたったひとつのメッセージがあるように思えます。生きるためにいちばん大事なもの、これを訴えたいんじゃないかと。狩撫さんは、恐らく意味や信念や意地を大事にしてます。でも今の時代は、意味や信念なんかよりも、お金とか目先の得とか楽とか、そういうものを大事にしているように見えます。これに反抗したいのでしょうね。そういう意味で、この漫画は、狩撫さんの傑作「ボーダー」や「ハード&ルーズ」とまったく同じ路線の漫画といえると思います。

 ただし…「ボーダー」や「ハード&ルーズ」に比べると、ちょっとクールで、伝える熱気をあまり感じません。かつて狩撫さんが書いたストーリーとそっくりな話も、いくつも出てきます。そういう意味でいうと、人に何かを伝えるという熱さが枯れてきてしまい、プロの漫画原作作家としてのテクニックだけが残ってしまったのかな…という気もします。それでも、テレビドラマ化されるほどによく出来た人間ドラマ。そこらの漫画よりずっと面白いことは確実!ところでこの漫画、僕は9巻まで読んだんですが、そこで終わりなのかな。原作者が死んで未完のままという事なのかも(・_・、)。


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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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