心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: CD・レコード > ラテン   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『CARTOLA / O Mundo E Um Moinho』

CARTOLA_Omundo.jpg 中南米の音楽って、近現代史の人の流れや文化的な葛藤がすごくあらわれていると思います。人の肌も、ヨーロッパ民族や、かつて奴隷として連れてこられたアフリカ系民族などの混淆が見られますし、言語も最初に中南米大陸を支配したスペイン語やポルトガル語が使われていますし。

 そして、このアルバムです。アーティスト名は「カルトーラ」と発音するそうです。ブラジル音楽になるんですが、お隣のアルゼンチンが白人系社会の色が濃いのに対し、ブラジルは肌の浅黒い人が多いです。このあたり、近現代史の本を読むと、ものすごく深く屈折した歴史を辿ってきた人たちの歴史が分かって、なんとも言えない気持ちになります。

 複雑な歴史の波の中で、それでも中南米の民衆に根付いた音楽に、カーニヴァルの音楽があります。近代の中南米の音楽は、音楽それだけで演奏されるものよりも、ダンスと切り離せないものが多いみたいです。で、ブラジルのカーニヴァルで演奏されるサンバもそれに当たります。

 サンバって聞くと、私はまさにカーニヴァルのあのド派手な音楽を連想してしてしまうのですが、このアルバムはほとんどボサノヴァと言って差し支えないようなしっとりした曲が半分ぐらいを占めています。楽器もギターとトロンボーンだけとか、すごくシンプル。しかし、「サンバの代表作」みたいに言われているのですよね。不思議でした。で、ちょっと調べてみると、サンバと言っても、弾き語りの室内楽のようなものもサンバというし、カーニヴァルのド派手なやつもやっぱりサンバというんだそうです。で、本作は前者の方で、サンバに使われていたいろいろとチャンポンだった音楽が、この作品あたりでいよいよブラジル独自の音楽「サンバ」の形になったみたいです。確かに、アップテンポの曲は、リズムなんかがすごくサンバです。ボサノヴァが生まれるのは、このカルトーラのサンバがあったうえでのことで、まさにブラジルの現代のポピュラー音楽の源泉が、このアルバムなんだと思います。

 そして、最初の曲「O Mundo E Um Moinho」で、すでにグッときます。コード自体はカラッと明るいんですが、テンションという音がすごくいっぱい入っていて、すごく複雑な奥の深いサウンドです。さらに、そのコードの進行で生まれる変化の感じが、ものすごく切ない感じなんです。大変に苦しい生活の中で、しかし明るく生きていくというような印象が、音楽から感じられてしまいました。新大陸に生きなければならず、支配され、貧困にあえぎながら、しかし明るい太陽の下で陽気に生き抜こうとするという感じが、私のブラジルに対するイメージなんですが、この音楽の持っているムードが、まさにそうしたイメージにピッタリだったのです。ジャケットの写真も、スタジオで撮影したようなものではなくて、ものの見事に音楽の背景にあるものを写しているように思えます。聞いていると、生きた歴史の断面をそのまま体験させられる気になります。

 ブラジル音楽に一時はまっていた時があるんですが、このCDは、ブラジル音楽を聴くなら絶対に外せない作品だと思います。ブラジル音楽を聴いてみたい、あるいはブラジル音楽は好きだけどこれは聴いていない、という方には、ぜひ聞いていただきたいと思う音楽なのです。


関連記事
スポンサーサイト

Comments

10 2017 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
検索フォーム
アド
これまでの訪問者数
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS