『GEORGE RUSSELL and his Orchestra / JAZZ IN THE SPACE AGE』

GeorgeRussell_JazzinthSpaceAge.jpg もうひとり、どうしても紹介したいモダンビッグバンドの作曲家/アレンジャーがいます。それが、このジョージ・ラッセル。この人に辿り着いたのは、ジャズの脈ではなく、現代音楽の勉強をしていた時でした。武満徹の作曲技法を勉強している過程で、「リディアン・クロマチック・コンセプト」という、ジョージ・ラッセルの理論が出て来たのです。で、音楽を聴くより先に、その理論を先に勉強していました。で、参考に、彼の名盤と言われているアルバムを何枚か聴いていたのですが、それほどピンとくるものはなかったのですが…このアルバムに出会って評価が変わりました。サウンドの新しさと、アレンジの見事さに驚かされましたいや、そんなものではないな、感動しました。それも、猛烈に。

 1曲目から2曲目にかけての流れが、ものすごいです。ファンを回さない現代音楽的な響きを持つヴィブラフォンのイントロから、6拍子系のコントラバスのミニマルなビートとジャズ特有のドラムのコンビネーションが斬り込み、左右に振られた2台ピアノが別の拍子でヴァースの交換をしながらインタープレイに入っていきます。…いやあ、これだけでも格好良さの片鱗は伝わってくれるのではないかと思うのですが、そのピアノが半音階と、アッパーストラクチャーの和声でクールに音を紡ぎだします。凄すぎる…。このサウンドは聴かないと伝わらないと思うのですが、この手のサウンドは、先鋭的なモダンジャズ以外では聴くことが出来ないんじゃないかと。その中でも、このアルバムのサウンドは、ちょっと図抜けている感じです。で、このインタープレイが終わると2曲目になだれ込み、サックスのモーダルなテーマ。そして、プロッフェショナルの極致ともいえるモダン・ビッグバンドのブラス・アレンジのグラフィック・アートのような見事な構造とサウンドです。
 
 この音楽を面白くないという人がいるとしたら、その人はもう音楽に向いていないと思います。本当に素晴らしい音楽。すべてのビッグバンドの音楽の中で、ベスト3に入る作品だと思います。僕の中では、これがナンバーワン。モダン・ビグバンドの、芸術性とジャズ的な不良性の両方が見事に合わさった、格好良すぎるサウンドの洪水です。


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Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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