ユーミンの初期アルバムを聴いていたら、70年代の日本の青春テレビドラマを見たくなってしまいました。「ゆうひが丘の総理大臣」は1978~79年に放送された、中村雅俊主演の学園青春テレビドラマです。少年チャンピオンに連載されていた同名コミックのテレビドラマ化作品、大好きでした。うちにはテレビ録画したVHSが残っていますが、残念ながら全話は揃ってない状態。
舞台は高校、主人公は破天荒だけど情熱的な英語教師。このドラマが作られた70年代後半といえば、過度の受験戦争や暴走族などが社会問題化していた頃で、ドラマではこれらの問題が真正面から扱われていました。受験勉強にがんじがらめの生徒、落ちこぼれで学校やまわりから白い目で見られている生徒。こうした問題に、あたらしく高校に赴任してきた若い教師が、生徒の目線にたって一緒に悩み、生徒と一緒にいろんな問題を解決していきます。先生も生徒も、本音や理想を真正面からぶつけて、本気で泣いたり叫んだりします。今の社会が持ってる価値観からしたら「クサい」とも言えそうですが、逆に当時を基準にしたら今はちょっとカッコつけ過ぎというか、みんな自己防衛で本音を隠しすぎるのかも知れませんね。
小学生の頃このドラマを見て、はやく高校生にはやくなりたいと思ってました。あこがれた理由はふたつで、ひとつはひとり暮らししていたり、友達と楽しそうにしていたり、
高校生活が自由で楽しそうだった事。お兄さんへの憧れみたいなものでした。もうひとつの理由は、人の距離の近さです。先生は下宿してぼろアパートに住んでるんだけど、そこでの人との交流があたたかくていいんです。
70年代って、今と比べていろんなものがぼろかったり貧しかったりしたけど、人と人との距離はもう少し近くて、温もりがあった気がします。
そして、久々にうちにあるビデオを見返して、このドラマに憧れたもうひとつの理由を見つけてしまいました。物語が基本的にハッピーエンドだからです。物語のテーマは当時の世相を反映した青春の苦悩ではありましたが、でも本当にはみ出した人とか、ディープな結末とかは描かれません。落ちこぼれといっても、バイクに乗ったりちょっとやんちゃしたりする程度で、破滅的な結末を迎えたりする事はありません。苦悩しても自殺まではいきません。暴力事件で退学になる生徒も、不登校になってフェードアウトする生徒も出てきません。最後には苦悩を乗り越え、笑顔で夕日に向かって石を投げる…みたいなハッピーエンドな青春ドラマなのです。現実はハッピーエンドとはいかない事も多かった時代だっただけに、現実にある問題を扱いながらも、こういうハッピーエンドに終わってくれると、気分がいいし後味が良かったのかも。ドロップアウトした人やアウトサイダーから見れば青くさく見えるドラマかも知れませんが、そうでない人にとってみれば理想の青春。実際に自分の青春と重なった人も多かったんじゃないかと思います。
金曜8時は金八先生じゃなくて絶対にワールドプロレスリングだった僕が、
ほとんど唯一といっていいほどに好きだった学園ドラマ。今見ても「こういう青春や学園生活を送りたかった」と思ってしまいます。学園ドラマの傑作として、超おススメです!
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私は今でもハッピーエンド以外は受け付けません。映画もテレビも(笑)
藤谷美和子が可愛かったし!
でも、最終的に好きなのはあさひが丘の大統領の方です( ^ω^ )