
最近、
ルーセルの交響曲1~2番を聴いて考えが変わったんですが、それまでは、ルーセルはシンフォニーより室内楽の方がいいんじゃないかと思ってました(^^;)>。その理由は、このCDを聴いていたからなんです。
このCDの収録曲は、以下の通りです。
・弦楽三重奏曲 Op.58
・フルート、ヴィオラとチェロのための三重奏曲 Op.40
・フルート、ハープと弦楽のためのセレナード Op.30
思わず息をのんでしまいました、
フランスの4度堆積の匂いたつようなサウンド、新古典の構造の見事さ、対位法、そして
メシアン以降のフランス音楽の先駆け…最初に聴いた時にしびれ、それは久々に聴いたいまも変わらず。いやあ、やっぱりいい!特に作品40が個人的なツボ、曲も素晴らしければ演奏もなかなか見事。チェロがときどき速いですが、第2楽章の最後6~7小説あたりでチェロがラミラミラミの最後のラをオクターヴ低く弾いているのは、なるほど単純なパターン化を避けるのとアダージョの緩徐楽章のエンディングに向けて下にしていくという心遣いなのかと思って、粋だなあと(^^)。
他の2曲も見事。セレナードの第2楽章、メジャー9thに4度音をチェロが刻みますが、ここなんていかにも
ドビュッシー以降のフランス音楽という感じ。セレナードは作品番号が若いし、この時はまだ印象派の影響が強かったのかな?弦楽三重奏曲の第2楽章に至っては、すでにメシアンを先駆けているようなサウンドしてます。う~ん、大作曲家ではないにしても、自分の言葉を持っている隠れた名作曲家とは言えるんじゃないかと。
どの曲でも目につくのが交響曲との作曲技法の違いです。交響曲3~4番は和弦とリズムが強調された音楽である意味大味でしたが、このCDに入ってるアンサンブルは、どれも対位法的、緻密です。ライナーによると、ルーセルって、スコラ・カントルムで対位法の教師を務めていたそうです。なるほど、それでこれほどの見事な出来栄えなのか。あ、そうそう、ルーセルの弟子にはサティ、ヴァレーズ、マルティヌなんかがいるそうです。なるほどヴァレーズのガシガシしたリズムはルーセルから引き継がれたのかも、なんか納得。あ、あと、けっこう展開がはやいというか、僕みたいについていくのがやっとの人にとってはせわしないとすら感じる時があります。でもこれって聴く人次第なんでしょうね、記憶力のいい人だったらこれぐらいシーンがパンパン展開すると爽快かも。いや~ルーセルは室内楽がいい…な~んて思ってたんですが、実は最近、交響曲1~2番を聴きまして、ルーセルは印象派の色が強かった時がいいと思い返すようになりました。シンフォニー1~2番に関しては、また次回に(^^)。
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