パブリック・イメージのセカンドアルバム、1979年発表です。僕はCDで買ったんですが、元々のLPは45回転の12inch盤が3枚入ってたみたいです、だからボックスなんですね。ファーストにぶっ飛んだ僕は、始まって1分で「はやくも迎合したか」とガックリしかけましたが、我慢して4分聴いたらそんなこと全然なかった(^^)。
音的にはファーストよりもかなり大人しくなりましたが、音楽的には暴力的。どこまで狙ってるのかは分かりませんが、機能和声の上に丁寧に音符を並べていく、みたいな事はしません。この部分が、ピストルズやクラッシュやラモーンズが単純すぎてつまらなかった僕にとっては刺激的で、心を鷲づかみにされました(^^)。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのセカンドのような暴力性で、1曲目なんて、「音痴だ」「下手くそだ」と言うメタル主義者な友人と論議になった事がありました。僕は大人気もなく(って実際に子供だったんですけどね^^;)「これを普通にギターと同じスケール上の音程で歌ったらつまらないに決まってるだろ」とか、「
即物的なうまい下手じゃなくて、なぜこうするのかという所がロックなんじゃないの?」なんて反論してました。若くてロックだね、自分だってほんの少し前までは「パンクって下手くそだし単純だし、音楽的には過激どころか保守もいいところだよな」なんて言ってたハードロック信者だったくせにね(゚∀゚*)エヘヘ。
このアルバムを聴いていた当時、僕はロックに飽きかけ、卒業の一歩手前という感じでした。ロックといったって80年代に入っちゃえば結局みんなドミソで歌謡形式のカワイ子ちゃんばっかり。ジャズもそうで、80年代のジャズはもうほとんどポップスで、レコード産業の奴隷と化していました。そんな僕は、音としては、もう現代音楽とか前衛色の強いジャズとかエキゾチックな響きを持った民族音楽の響きとか、そういうのじゃないと満たされない所まで来ていたのです。そんな頃、ロックの中でジャーマンロックとサイケの次に掘り当てた金脈がPILでした。プレイや音楽の内容ではクラシックどころかジャズにも勝てないのは仕方ない、そんなロックに何が出来るかって、こういう挑戦だったり、「何をするのか」という主張だったように僕には思えたんです。こういう、普通なら空気を読んで言葉を飲み込むところで、「お前ら、違うだろ」とむき出しに主張する姿勢を「おお、ロックだ!」と僕は感じるようになり、現在に至るのでした(^^)。僕にとって、
英国パンクはこのバンドに尽きると言っても過言ではない!!詩でいえばロートレアモン伯爵のシュール詩みたいなもので、むき出しで掴みかかってくるようなカッコ良さがある音楽です。大推薦!!
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今では、サビだらけですが。
ちなみに、彼ら初のシングルのジャケットは新聞紙に見立てたもので、四つ折りのなかに7インチレコードが入っているというものでした。
今ではボロボロですが。
音楽的には、パンクの連中には総すかん食らってましたが。
面白いのは、このギターリストが、元、クラッシュなんですよ。ほんのわずか。
この後、3枚目も、個人的には気に入ってます。太古的、原始ロックで。(笑)