
こちらは、アンネ=ゾフィー・ムターのヴァイオリンと、
カラヤン&ベルリン・フィルによる、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲です。カップリングは、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。1980年録音です。
注目は、この時17歳の
アンネ=ゾフィー・ムター。彼女は13歳にしてカラヤンから重用され、「天才少女」と騒がれて世界的ヴァイオリニストとなりました。僕も彼女目当てでこのCDを手にしました。先にムターの演奏の感想を書くと、
スターンや
クレーメルに感じるヤバい何かは感じません…って、それを少女に求めるのは無理ですよね(^^;)。しかし、
いちど感情的に入り込むとものすごい情熱的な演奏、すごかったです。正直に言って、感動してしまいました。狂気か危機迫るというのとは少し違うけど、こういう熱く震えるような情熱的な演奏って、女性特有と感じます。
メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルトは…おっ、
ミルシテインとアバド&ウィーンフィルより、こっちの方がしっくりくるかも。それにしてもいい曲だなあ、僕にとってのメンデルスゾーンはこれだけでいいと思うほどです(^^)。
しかし本当の
驚きはブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番でした。正直にいうと、このCDを買うまではコンチェルト1番どころかブルッフ自体をよく知らなかった(^^;)>。ところが、曲も演奏も凄かった!本当に素晴らしかった!なんだこの鬼気迫る情念の塊のような曲と演奏は。。いやあ、感動してしまい、何度も何度も繰り返し聴いてしまいました。特に、燃え立つような情念と劇性を持った第1楽章が素晴らしいです。とてつもない昂揚感のすさまじさ、そこからアダージョに抜けた瞬間の例えようもない美しさ…
ここでのムターのヴァイオリンは聴くに値する名演、ゾクゾクきました。1楽章から続くようになだれ込むアダージョの第2楽章も美しくも官能的、う~んこれはすごい。難をいえば、これだけ強烈に煮えたぎる音楽を書いておきながら、最後で月並みなロマン派和声で明るく大団円した所だけが残念(^^;)。それでもこの1~2楽章だけで、僕的には永遠の名曲名演です。ちなみにブルッフ、メンデルスゾーンから強い影響を受けた作曲家なのだそうです。なるほど、それでこのカップリングなんですね。
僕はクラシックのこういうカップリングもののCDを買う時は、なるべく聴いたことのない曲や作曲家のものを 買うようにしてるんですが、ブルッフのヴァイオリン協奏曲1番の、しかも名演に出会うことが出来たのは、幸運でした。これはブルッフだけ取りあげたとしてもおすすめの1枚です!
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