
子供のころの自分の人格形成に影響しまくったほど、心を熱くした漫画です。高森朝雄(梶原一騎)が原作、ちばてつやが作画を担当したボクシング漫画で、メッチャ熱かった!
日本の漫画の大傑作のひとつじゃないでしょうか! 主人公の矢吹丈は、孤児でとんでもない不良、警察沙汰の事件をたびたび起こします。このジョーの運命が、元プロボクサーで今はただのよっぱらいの中年土方おやじ丹下段平との出会いで変わっていきます。段平は、けんかにめっぽう強いジョーと出会い、こいつとならボクシングで世界一を取れると確信、そこから酒をやめてジョーに「一緒にボクシングをやろう」と迫ります。でもジョーは相変わらずのチンピラで、けっきょく少年院送り。でもそこで出会った元プロボクサー力石がメチャクチャに強くて、けんかに負けたことのないジョーがパンチ一撃で沈められます。そこからジョーは力石を倒すべく段平とともにボクシングに打ち込み…みたいな感じで話が進んでいきます。
この漫画、僕は心打たれるものがふたつありました。ひとつは、ジョーのハングリーさ。通り一遍のリクツなんて通用せず、自分の望んだものを手に入れるためには、ジョーは何でもやります。泥棒もするし人もだます、相手も半殺しにします…が、死に物狂いの努力もするのです。自分の夢のためなら何でもやるエネルギーが、最初は救いようのない方向に働いていますが、ボクシングに出会った瞬間からジョーを生かします。この
ジョーのハングリーさとパワーに、子供のころに魅せられました。僕だけじゃない、まわりの男子はみんな感化されてましたね(^^)。この漫画との出会いで、クラスの半数の男子の人格が変わったほど(^^)。ヒーローでした。空想上のヒーローであるウルトラマンや仮面ライダーとは違う、リアルなヒーロー。
自分の生き方の教科書となった最初の作品でした。この漫画が、自分を幼年期から少年期へ成長させたほどの衝撃、生きるための教科書がここに見つかった気分でした。
もうひとつは、段平の物語です。子供のころにはまったく感じなかったんですが、
大人になってこの漫画を読むと、ジョーよりも段平に心を打たれるのです(T_T)。これは「巨人の星」の星一徹も同じ。子供のころの夢って、挫折まで行かなくても果たせずに終わってしまう人がほとんどだと思います。プロサッカー選手を夢見て高校までやったけど、全国大会に進めず、プロからも声がかからずそこでオシマイとか、出世やいい仕事をしようと夢見て会社に入ったけど、もう中間管理職で終わる未来しか残ってない、とか。
ほとんどの人が、みんな段平だと思うんですよね。そんな夢を絶たれた中年男が、もう一度立ち上がって、酒もやめ、寝ずに頑張って、人生最後の挑戦に全力を尽くす…もう、涙が止まりません。大人になってから読んだあしたのジョーは、段平の物語でした。
というわけで、少年期の僕の人格形成に深くかかわった漫画が、「あしたのジョー」でした。大人になった今読んでも、メチャクチャ心に響いたなあ。。
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