
ベートーヴェンの交響曲というと、
5番「運命」と3番「英雄」が人気だそうですが、僕個人は
6番「田園」と9番「合唱」が好き(^^)。田園に感動した時の事は日記で書いた事がありますが、その演奏がカラヤン指揮ベルリンフィルでした。まだ、
フルトヴェングラー&ベルリン響を知らない頃の事。というわけで、大晦日にやたら聴く機会の多い第9も、カラヤン&ベルリンフィルの録音を手にしたのが最初でした。中学生のころだったので、まだ楽式の勉強も何もしてないど素人。ロックやポップスに夢中になっていた子供にとって、「こうきょうきょく」なんてものにお金を払うのは、ちょっとした挑戦でしたね。
第9って、あの大合唱のところが有名じゃないですか。あのAABA16小節のイメージが強すぎて、完全にあれだと思ってたんです。ところがCDを買ってきて第1楽章を聴いたら全然違う!しかもこの
1楽章、雄大ですごい、思いっきりやられました。最初に序奏がついてるんですが、これが「何か始まる」という感じで、その時点で引きずりこまれた。。15分ほどの1楽章、これが素晴らしくて、あろうことか僕は1楽章ばかりを何度も聴いて、先に進めなかった、なんにも分かってなかったですけどね(^^;)。でも、いま聴いてもこの1楽章が見事だと思う事に変わりはないです。
そして、この劇的なドラマは2楽章も同じ。第9の1楽章と2楽章はどちらかだけあればよかったと思うんですが、それぐらいにこのふたつの楽章は、どちらかだけでも成立するほどの大曲です。2楽章なんて、なんという形式で呼んでいいか分からない…フーガやソナタを内に含んだ複合3部形式?いやあ、ベートーヴェンのシンフォニーも、このへんまで来ると形式の感覚がもう常人の理解を超えてるというか達人技というか、シロウトには理解しきれないっす(^^;)。
カンタービレなアダージョの3楽章の美しさ、これも素晴らしいです。激しくヘビーでドラマチックな2つの楽章のあとに来るものだから、余計にしびれます。緩徐楽章を演奏させたらカラヤン&ベルリンフィルは素晴らしすぎ。でも…緩徐楽章に15分はちょっと長すぎる気がする、ここで音楽が終わってしまうよ(^^;)。5~6分で終わって最終楽章に一気になだれ込んだ方が良かったんじゃなかろうか。このへんがドイツ音楽のクドい所ですね(^^;)。
終わったかという所で始まる4楽章。これもこの楽章だけでひとつの交響曲レベルの大曲。僕はいつも4楽章を聴くなら通しで聴かずに4楽章だけ聴く事が多いんですが、それぐらい見事なドラマです。第1楽章の再現のような暗く激しい冒頭から3楽章の再現部までという色々とドラマをめぐってきて、あの「歓喜の歌」のメロディにたどり着いた瞬間の感動はちょっと言いあらわせないものがあります。
色々と言われてる演奏ですが、否定的な人ってこの演奏を聴いて本当に感動しないのかなあ。僕は人生でこの演奏に何度ゾクゾクさせられた事か。他に好きな演奏があったにしても、それはそれとしてこの演奏に心が動かないなんて事があるのでしょうか、解せぬ…。ただ、第9は色々たっぷりすぎて、僕はいつも1楽章、2~3楽章、4楽章と分けて聴いてしまいます…って、僕も全肯定ではなかった(^^;)。。でも、
間違いなく人生で何度も何度も心を揺さぶられた1枚です。そして、もうすぐ大晦日。フルで第9を味わった事のない方は、1度ぐらい第9で迎える年末を過ごしてみるのもオツかも(^^)。僕は経験がないですが、あの合唱部分、合唱で参加するとものすごく感動するそうです。。
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