心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: CD・レコード > 民族音楽   Tags: ---

Response: --  

『Lightnin' Hopkins / The Complete ALADDIN Recordings』

LightninHopkins_aladdin.jpg ブルースです。戦前ブルースです。僕にとってのブルースの中心は、戦前ブルースです。商業音楽化した戦後のバンドブルースとかになると、かなりつまらないと感じてしまうんですが、ギター一本、低音で唸るように歌われる戦前ブルースには、暗澹たる迫力を感じます。戦前ブルースの、陰鬱としながら、それだけではないあの渋い質感というのは、ちょっと他の音楽では聴く事の出来ないものだと思います。そして、私にとっての戦前ブルースの最高峰、それがアコースティック・ギター弾き語りをしていた頃のライトニン・ホプキンスです。

 ブルースというと、ジャズの曲調でいうブルースとか、日本のムード歌謡なんかで使われるちょっと悲しげな曲を指して言う「ブルース」とか、色々な使われ方をする言葉ですが、大元は奴隷貿易でアメリカ合衆国に連れてこられたアフリカン・アメリカンが弾き語りしていた音楽です。同じ時代のアメリカのフォルクローレでも、白人が歌うカントリーやフォークソングやカウボーイソングというものは、「美しいテネシーで…」とか「ここがあなたの故郷よ」とか、すごく郷愁をそそるようないい歌が多いのですが、黒人の歌ったブルースというのは「38口径の銃でお前を殺さざるを得なかった」とか、かなり陰鬱な内容のものが多いです。で、白人は澄んだ声で大らかに歌いあげるようなものが多いのに対し、ブルースは酒焼けした声であったり。これは、当時の合衆国の黒人の置かれた状況をそのまま反映しているのではないでしょうか。
 そして、ライトニン・ホプキンス。この人は、後にエレキギターも弾いたり、バンドブルースを演奏したりもするんですが、このアラジンというレーベルでレコーディングしたものはギター弾き語り。曲によってはピアノとかが入っている場合もあるんですが、あくまでギター弾き語りがメインという感じの音楽の作りです。これが凄いです。僕はエレキのライトニンから入ったのですが、こんなにギターのうまい人とは思いませんでした。いや、うまいと言っても、速弾きのテクニックとかそういうのではなくて、伴奏と旋律を同時に弾く、ギター独特のあのテクニックです。僕は、ギターで単旋律をいくら弾かれてもぜんぜんすごいと思わないんですが、和声と旋律を同時に弾かれると、ものすごくひきつけられます。ピアノだったら、左手が和声で右手が旋律とか、あれならできますが、ギターって、旋律と和声を片手で同時に弾いているわけですよね。すげえ。。で、歌の間に入れてくる合いの手とか、歌につけるオブリとかがもの凄いセンス。これを歌いながら弾いているというのが、信じられない。。そして…この声。今の西洋のポピュラー音楽から見れば、1オクターブは低い低音で、唸るように声を絞り出します。この語りに近いような歌とギターが一体となって、何とも言えない情感ある音楽に。いや、音楽という感じじゃないんですよね。伴奏つき物語という感じ?いや、うまく言えません。暗いとか、重いとか、言葉では言い当てられないような。映画でいうと、ヒッチコックの『サイコ』って映画がありますよね。サスペンスで、すごく陰鬱としているんですが、見終わった後になんかすっきりした気分になるという、不思議な映画です。ブルースって、それに近いものを感じます。暗鬱としているんですが、じゃあ聴いて暗くなるかというと、ちょっと違う感じ。一種のカタルシスなんでしょうか。

 ライトニン・ホプキンスはブルースマンの中でも結構人気のある人なので、戦前の録音も結構残っています。僕は、戦前のライトニンの録音を片っ端から聴きましたが、このアラジンの録音が一番好きです。昔は何枚ものアルバムに分かれていたんですが、今はアラジンの録音が全部まとめられて2枚組で出ています。


 

関連記事
スポンサーサイト

10 2017 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
検索フォーム
アド
これまでの訪問者数
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS