FC2ブログ

心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『エンデル・エ・ブレグティト ENDERR E BREGDETIT-O / アルバニア~ラパルダのポリフォニー ALBANIE Polyphonies de Lapardha』

Albania Lapardha no Polyphony CD『Folk Music of Albania』『Marcel Cellier presents Mysterious Albania』の2枚を聴いて、あっという間にアルバニアの音楽に魅了されてしまった僕でしたが、いざアルバニアのCDを探してみるとこれがけっこう難しかったです。アルバニアは第2次世界大戦後から90年代初めまで鎖国に近い状態だったそうで、それで音楽が外に聴こえて来なかったのかも知れません。これは2009年にARIONというレーベルからリリースされた1枚で、アルバニアのエンデル・エ・ブレグティトという男性5人のコーラスグループの歌を収録していました。このグループ、ユネスコの無形文化遺産に指定されているんだそうです。

 これはヤバい、すごすぎる…。無伴奏の男声ポリフォニーで、セルビアやブルガリアなんかで見られる民族ダンスを踊り出しそうなカラフルな民族衣装を着ているもんで、楽し気な舞踊音楽を歌うのかと思ったらぜんぜん違いました。まるでユダヤ教の詠唱や、東アジアの密教系の祈りの音楽をポリフォニー化したかのような神秘的な音楽でした。グレゴリオ聖歌ぐらい古い音楽がポリフォニー化しているかのようで、でもルネサンス音楽みたいなプロ作曲家の手を経ないで宗教家たちが自分でポリフォニー化したかのよう。いやあ、これは凄すぎる。。
 音楽は、曲にもよるけど、詩歌つきのポリフォニーが2~3声で、コーラス化したドローンが2~3声が基本。冒頭に短いメロディ上の老勝負があるほかは、1~2小節で出来たパターンがAとBの2種類ほどあって、AAABぐらいで小楽節を作り、あとはこれを繰り返す、みたいな。だからチベット仏教のマントラのような雰囲気もあるんだな…。旋法/和声的には5音音階が基本ですが、これが多彩。恐ろしく神秘的なもんで、これはいったいどういう音階やハーモニーなのかと調べてみたら、なんとマイナーペンタだけだったりして、それでこんなすごいのが作れてしまうのかと驚いたり。もちろんそれだけではなく、1・長2・長3・完全5・長6という長調系の47抜き5音音階などなど、実際は多彩でした。

 いくら東寄りと言えこれがヨーロッパの音楽とはとても思えず。むしろウクライナやロシアの音楽の方が西洋に感じるほどで、道の世界の異教徒の音楽のようでした。ユダヤ音楽キリスト教の修道士か正教系の祈りの無伴奏合唱のほか、古いギリシャ音楽東アジアの遊牧民の音楽なんかも混じっていて、そこに独自の発展が加わって類例のない音楽になったんじゃないかと思ってしまいました。アルバニアの音楽、僕は3枚のCDでしか聴いたことがありませんが、いずれれも超絶の音楽。これもぜひ聴いてみて欲しい音楽でした。すげえ。


Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『Mysterious Albania』

Mysterious Albania これもアルバニアのCDです。この東欧的な雰囲気とアラビアの混じったような独特なジャケット写真と、「ミステリアス・アルバニア」というタイトルに惹かれて買ってしまいました。子供の頃に「アルプスの少女ハイジ」や「カリオストロの城」を観ていたもので、ヨーロッパの山岳地帯的な雰囲気に弱いんですよね(^^)。録音は1979-80年。

 おおーなんと独特な音楽か、しかも曲によってかなり傾向が違うのにびっくり。。1曲目なんて、始まった時は山岳民族の音楽かと思いきや、歌はアラビア音楽インド音楽のような雰囲気、管楽器が出てくればユダヤ音楽のよう、コーラスには正教会系の音楽の影響もあるのかな、いやかなりイスラムの密教系の妖しいハーモニーにも聴こえる…もう、なんと形容したらいいか分からない音楽でした。でもアラビア音楽がちょっと強めなのかな…お、このCDのライナーに、「アルバニアの宗教はムスリム7割、アルバニア正教2割、カソリック1割」と書いてありました。なるほど~。
 強烈なナイのような笛の掛け合いから始まり、途中でものすごい数の笛の合奏となる音楽もありました。なんだこの神秘的な響きは、笛がこだまして増殖していくよう、こんな音楽聞いたことない…。自然のミニマル音楽とでも言えばいいでしょうか、これは凄い!心を奪われてしまいました。。

Albania map 無伴奏の合唱音楽は、声の調和が美しすぎてまるでオルガンのような響き。これも聴いているだけでトランス状態に入っていきそう。ああ~笛にしても合唱にしても、この和声感覚が独特なんだな。。
 他にも、ジプシー舞曲のようなもの、南アジアの歌のようなもの、ハンガリーのフィドル音楽のようなもの、クレズマー風、アル「メ」ニア風の悲しげな音楽、ギリシャのブラス音楽風…いろんな音楽が独立していたり、交じり合っいました。その中で僕がアルバニア的と感じたものに共通するのは、ドローンというか、ある強烈な個性を持った響きや音階を変化させずにひたすら響かせて圧倒していく、みたいな。トランス音楽系なんですね。

 僕が今まで聴いてきた民族音楽のCDの中で間違いなく上位に位置するもの。ブルガリアといい、このあたりの地域の民族音楽はアルバニアの音楽、すごいです。これは超おすすめ!!


Category: CD・レコード > 民族音楽・ワールド   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『アルバニアの音楽 Folk Music of Albania』

Folk Music of Albania バルカン半島はアドリア海の西海岸線沿い、セルビアの南、ギリシャの北、マケドニアの西にある国アルバニアの音楽です。レーベルはTopic、このレーベルは民族音楽のCDを集めているとたびたび出くわすんですが、解説も詳しいし情熱もすごくて、素晴らしいレーベルだと僕は思っています。
 このCDはアルバニア各地で収録した音楽が収録されていて、その数なんと11か所!ライナーに収録地の地図が載っていましたが、まさにアルバニア全土で録音していました。

 アルバニアは、国土の真ん中に流れるシュカンビン川という大河によって南北に分断されていて、大雑把な分け方をするなら、北と南で音楽がかなり違う感じ。歌で言うと、北はホモフォニーで鋭く、南はポリフォニーで優しげ(または神秘的)な感じ。この差は、北の山岳地帯はオスマントルコ支配の時代にも第2次大戦のドイツやイタリアのが占領に来た時代にもパルチザンとして戦ったことから、英雄叙事詩的なものが多いのではないか、という事でした。なるほど~。

 近くにあるギリシャの音楽もそうですが、アルバニアの音楽も実に多様でした。
Albani_berato.jpg まずは北アルバニアから。思いっきりトルコのサズーのような音楽もあれば(M2, M8)、それに歌の入ったもの (M4, M8)、スラブ系民族的な無伴奏民謡(M3, M5)、牧童の笛(M6)、ユダヤのバカショートのようなもの(M7)、ダブルリード楽器ズマーレによるヨーデルのような歌いまわしのインプロヴィゼーション(M9)。もう、これだけでもその多様性が分かろうってもんです。しかもそれぞれが独特な雰囲気を持っていて面白いんですよ!
 続いて南アルバニア。バグパイプとダールという打楽器(ダラブッカのような音と奏法でした)により中近東風の雰囲気の曲調のダンス音楽(M10, 18)、北の羊飼いの笛とは一味違ったポリフォニーの牧童の笛(M12)、2~4声ポリフォニーで祈りのような雰囲気のある無伴奏合唱(M11, 15)、その独唱のようなもの(M13)、ポリフォニーだけれど祈りではなさそうな雰囲気のもの(M17)、インド古典芸術音楽かイランのダストガー音楽のような撥弦楽器アンサンブル(M14)、ユダヤのクレズマーギリシャのクラリネット・バンドのような音楽(M16, 19)などなど。南の方がちょっと洗練された文化を持ってるのかと思いましたが、それでも西ヨーロッパにまったく浸食されていない音楽で、スラヴなトルコなどなど、色々な文化を感じました。

 バラエティに富んでいて、CDを聴いているだけでヨーロッパやアルバニアの歴史がブワッっと目の前に広がっていく感覚でした。ベースには牧羊文化があって、そこに正教会の文化が重なる地域があって、そしてオスマントルコに占領され、ナチに侵攻され…みたいにして、こういう重層的な音楽文化が出来上がったんじゃないかと。そしてこのCD、録音をしたA.L.ロイドさんによる18ページにも及ぶ解説の見事な事と言ったら…いやあ、この録音を試みたディレクターの熱意がすごい、金儲けややっつけ仕事的な考えでは、こんな丁寧な仕事は無理。音楽も良ければ西ヨーロッパのクラシックや商業音楽に屈しなかった所も見事、そして解説が読んでいるだけで楽しくなってしまう見事さと、これは民俗音楽好きなら絶対に買いの1枚でしょう!


Category: 未分類   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

過去の日記『阿部薫 / ラストデイト』に追記をしました

AbeKaoru_LastDate.jpg 阿部薫さんが他界した1978年に録音された音源をまとめて聴いたついでに、6年前に感想を書いた『阿部薫 / ラストデイト』も久々に聴き直してみました。ああ、1978年録音ではこれが出色だと思ってしまいます、これは素晴らしい。。

 でもって、感想をつらつらと書いたのですが、書き終わってから6年前も感想を書いていた事に気づいた次第(^^;)。1200枚もアルバムの感想を書いてたら、いつかはダブりをやらかすと思ってましたが、ついにやってしまいました。。でもせっかく書いたので、今回の感想を過去記事に追記しておきました。

 読み返してみると、あまり感想が変わってませんでした。夢中で聴いていた頃も、6年前に聞いた時も、久々に聴いた今も、このライブの演奏は良いと僕は感じてたんですね。阿部薫さんのレコードって存命中はまったく売れなかったそうですが、死後は出るわ出るわで何から聴いたらいいのか分からない状態になってますが、これはマストの1枚じゃないでしょうか?!

http://cdcollector.blog.fc2.com/blog-entry-186.html

Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『阿部薫 / ソロ・ライヴ・アット・騒 Vol.9』

AbeKaoru_Solo Live at Gaya 9 アルト・サックスの阿部薫の「ライヴ・アット・騒」シリーズ第9集は、1978年7月7日のパフォーマンスのセカンド・セットが収められていました。お、七夕ですね。七夕に狭いジャズバーでフリージャズを聴いたり演ったりする青春って、ちょっといいなあ。大学生にもなってアイドルを追いかけたりSNSで人を叩いたりしている精神年齢の低すぎる青年には見習ってほし青春だよ(^^)。使用楽器はアルト・サックスのみ、使っているメロディは「恋人よ我に帰れ」でした。

 38分一本勝負の長尺のサックス独奏でした。「恋人よ我に帰れ」といっても、曲のコード・プログレッションを使うわけでもヴァリエーションしていくわけでもなく、演奏の一部にメロディがチョロっと出てくる程度なので、ほぼインプロヴィゼーションと言っていいと思います。曲というなら、他の曲のメロディも出てきていましたしね(^^)。
 この日の演奏は自由自在、気の向くままにどんどん変わっていきましたVol.2のピアノ即興やVol.4のファーストセットあたりでは明確な一貫性というか、その演奏のテーマのようなものを感じましたが、この演奏は自由、右に行ったり左に行ったり(^^)。でも自由というのはきっと難しいんですね、聴いていて「あ、ここからどうするのかな?」という所がけっこう出てくるんです。もし即興に慣れてない僕なんかが演奏していたら、そういう所で終わってしまいそうなのに、さすが百戦錬磨、「あ~なるほどこう繋ぐのか」みたいに見事に音を繋げていきます。もしかすると、そんな事すら考えずに、本当にのびのび自由に吹いているだけなのかも知れません。サックスのインプロヴィゼーションって、「何を考え、感じていま演奏しているのか」というのを、ずっと追跡して聴いてしまう時があります。そうやって聴いていると、阿部さんの場合は、常に「俺」というものへの問いかけがあるような気がしてくるんですよね。「恋人よ我に帰れ」メロディを演奏するのでもすごくエスプレッシーヴォにやったりするんですが、その感情の入れ方の裏に「俺」がある気がしてくるし、メロディが切れて次にスッと移っていく所でも、外連味たっぷりになる所でも、もっと軽やかに素直に歌っている所でも、音楽の構造的な美とかそういう所はまったく見ていなくて、常に「俺」みたいな。ついでに、音楽を構成していく勉強はまったく出来ていなくて、だからエモーショナルで私的な表現に行くしかないのも「俺」みたいな。そういう所が、暗くまじめに考えてきた青春に聴こえていました。

 若い頃に阿部薫さんを聴き漁っていたことがありまして、うちには20枚ぐらいの阿部さんのCDが転がっています。分からない部分があって、そこに神秘的なものを感じていたり、あるいはそういう苦悩する「俺」みたいな青春を生きている人にどこかで共鳴したりといった具合で、音楽として純然に引きつけられて聴いていたのとは少し違っていた気がします。
 いま聴いて思うのは、若い頃は分からない部分に惹きつけられてましたが、今はそれが分かってしまうようで、魔法が解けた気分。こういう音楽って、大学生の頃とか、本気で人生を真面目に考えて結論を出さなきゃいけない時にぜひとも聞いておくべき素晴らしい音楽と思うんですが、いざ決意して踏み出した後は、もう卒業なのかも知れません。有島哲郎や太宰治の小説みたいなもんですね。つらく悩み続けた自分の青春時代を支えてくれて、本当にありがとうございました。


08 2020 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
検索フォーム
これまでの訪問者数
アド
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS